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ISO/TC 312(サービスエクセレンス)国内審議委員会委員長
水流聡子氏に聞く

第1回 企業がサービスエクセレンスに取り組むメリット

サービスエクセレンスとは、エクセレントな、すなわち優れたサービスを提供し続けることができる組織の能力のことです。エクセレントサービスを利用した顧客は、利用したサービスに関して、通常の「いいね!」だけにとどまらず、それを超えた、より強いポジティブな感情をもちます。そうするとロイヤルティが生まれます。ロイヤルティが生まれると、顧客は、そのサービスを次も利用したいと思い、リピーターになります。また、この顧客は、周囲にこのサービスの利用を薦めてくれます。このことによりはじめて利益が生まれます。利用した顧客が企業に代わり宣伝してくれるので、企業はコマーシャルやPRを自らせずとも、集客することができます。直接そのサービスを経験している顧客がサービスを薦めてくれることは、非常に強力で効果がありますし、企業にとっては宣伝広告費であるコストを抑えることができるというメリットがあります。企業は、サービスエクセレンスに取り組み、このようなメカニズムを作ることが重要です。企業にとっては、提供するサービスの差別化や価値向上、ひいては企業の競争力強化につながり、企業の収益力が継続的に高まる効果があるので、サービスエクセレンスを実現している企業は、つねに、よい循環を生み出す環境にあるといえます。

連載目次

水流 聡子

東京大学 総括プロジェクト機構 「QualityとHealthを基盤におくサービスエクセレンス社会システム工学」総括寄付講座 特任教授
ISO/TC 312(サービスエクセレンス)国内審議委員会委員長
ISO/TC 312/WG2(エクセレントサービスの設計)コンビーナ