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ISO/TC 312(サービスエクセレンス)国内審議委員会委員長
水流聡子氏に聞く

第3回 サービスエクセレンスに取り組んでいる企業の事例

日本では、JSA-S1002:2019 (エクセレントサービスのための規格開発の指針)の適用を、スパリゾートハワイアンズを運営している常磐興産株式会社が進めています。海外では、ドイツのガス電力会社であるE.ON社や同じくドイツの金融企業TeamBank社がサービスエクセレンスに取り組んでいます。ISO 23592(サービスエクセレンス-原則及びモデル)の提案の元となったドイツ規格DIN SPEC 77224(サービスエクセレンスによるカスタマーデライトの実現)の取組事例として、ドイツのTeamBank社の取組みをご紹介します。
TeamBank社は、サービスエクセレンスモデルを適用して顧客中心性を意識した組織への改革を実現しました。組織改革の成果として、同社の経営は非常に伸び、また特筆すべき点として、従業員の意識が変化するという効果が現れています。
TeamBank社のようなサービス提供組織企業が、サービスエクセレンスモデル標準を適用する目的としては、競合他社と比較して顧客へより質の高いサービスを提供することによって、サービスの魅力的品質の観点から市場における優位性を確保できることがあげられます。同社は、サービスエクセレンスモデル標準を使用して、顧客指向のプロセスを実装することで、品質基準に基づいた優れたサービスを提供することが可能になりました。さらに、サービスエクセレンスモデル標準の実装によって、体系的で顧客価値に基づく組織的アプローチによる活動の実現を通して、競合他社との差別化を図ることにも成功しています。このことから、「顧客の期待以上のサービスを提供する」ことで得た顧客満足以上のカスタマーデライトは、同社の成功の重要な推進力となっています。また、標準に基づいた認証取得を公表することによって、顧客志向の考え方のアプローチを強調し、これを成功の秘訣として特徴付けることにも成功しています。
TeamBank社の事例については次のページでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
TeamBank社事例紹介

連載目次

水流 聡子

東京大学 総括プロジェクト機構 「QualityとHealthを基盤におくサービスエクセレンス社会システム工学」総括寄付講座 特任教授
ISO/TC 312(サービスエクセレンス)国内審議委員会委員長
ISO/TC 312/WG2(エクセレントサービスの設計)コンビーナ