第4弾は、テレビのニュースなど数多くのメディアでも取り上げられた、最適化栄養食の栄養設計を行う際の基準JSA-S1015『最適化栄養食の栄養設計基準に関する要求事項』の開発を依頼した一般社団法人日本最適化栄養食協会様です。
現在、JSA規格の開発を検討されている方はもちろん、JSA規格に少しでも興味・関心がある方にこの制度の魅力をお伝えできれば幸いです。
JSA-S1015『最適化栄養食の栄養設計基準に関する要求事項』とは;
JSA-S1015は2023年7月3日発行のJSA規格で、最適化栄養食の栄養設計を行う際の基準について定めています。
最適化栄養⾷とは、主要な栄養素がバランスよく適切に調整され、人々のウェルビーイング(⾝体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)に資することを目指した⾷品です。最適化栄養⾷は、ターゲットとする対象者(若年層,シニア層など)が 1 日に必要とするエネルギー量を全て当該の⾷から摂取した際に、主要な栄養素が過不⾜なく摂取されるように調整され、科学的根拠に基づいて栄養設計されています。 この JSA 規格によって、最適化栄養食の普及を図り、人々のウェルビーイングに寄与することが期待されます。
一般社団法人日本最適化栄養食協会
事務局
左より
前島秀樹 氏(事務局長)
福島周一 氏(規格部長)
神志保利 氏(事務局メンバー)
嶋崎美加子 氏(事務局メンバー)
栄養バランスの取れた食が健康の基本ということは大勢が認知しています。一方でそのような食の標準化は進んでおらず、各社が独自のルールで製造販売している状況にあります。そこで有識者を集めて基準を設け、クリアしたものに認証マークを付与することで、市場の混乱を回避し、わかりやすいものにしたいと考えました。
また、認証の基準として使用する規格は、公平性、透明性が確保されていなければならないことから、JSA規格を開発することとしました。
いいえ。事務局内にFSSC22000(編集部注:食品安全マネジメントシステム)等の認証を受ける側の知識・経験ならある、いわば「規格を使う側」の立場だった人員はいましたが、「規格を作る側」としての知識・経験を持つ人員はおりませんでした。
医学、栄養学、食品安全、規格認証、製造メーカー、流通等、各分野のエキスパートが集まり議論をしてきましたので、多様なご意見を頂けるのと同時に、規格として制定するまでに時間がかかりました。結果としてバランスの取れた良い制度設計ができたと考えております。
日常生活において主要な栄養成分を適切に摂取できるように配合され、健康に与える影響がヒト試験で検証された最適化栄養食についての、栄養設計基準に対する要求事項を規定しているので、将来的にはウェルビーイング分野において、国際規格化することもあり得ると考えております。一方で栄養基準は各国で考え方が多様であり、多様な基準が必要になります。
当協会では、最適化栄養食ということで、栄養設計基準そのものをターゲットに応じて、いくつも持つことができる仕組みになっておりますので、国際化にも対応しやすい仕組みになっていると考えております。