労働安全衛生マネジメントとは、労働者(派遣労働者及び請負者を含む)、訪問者、又は職場にいるそのほかの人の負傷及び、疾病を防ぐため、その安全に影響するか又は影響する可能性がある条件や要員を管理するものです。
参加する必要があるのは、組織の最高レベルから末端までの全ての人々です。臨時職員や常勤労働者、訪問者や近隣の人々も対象となります。また、機能間で協力的な連携関係を持つようになるように、組織内のあらゆる部署や事業部に渡ります。
職場の安全衛生水準を向上させることは、組織で働く人々の安全確保だけでなく、事業継続リスクの低減にもつながり、経営者にとって安定的な事業継続の一助となります。
このような観点から、昨今、労働安全衛生マネジメントシステムに注目が集まっています。組織は、同システムを導入することで、関係する法令順守の実証に留まらず、自主的な取り組みを推進させ、パフォーマンスの向上を図ることができます。
労働安全衛生マネジメントシステムの規格としては従来OHSAS 18001がありますが、ISO(国際標準化機構)において、初の労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格として、ISO 45001の開発が行われて、2018年3月12日に同規格が発行されました。そして、同年9月28日にはJIS Q 45001他関連JISが公示されています。国際規格の発行及び今後の普及に伴って、社会における労働安全衛生マネジメントシステムへの期待と活用はますます高まっていくものと思われます。
また、ISO 45001はISO 9001や14001、31000など他のISOマネジメントシステムと整合した形で開発が進められていますので、それらを導入する組織は事業の全ての面にわたって一貫性のあるマネジメントシステムを運用することが可能となります。