組織運営のPDCA における食品安全の活動②
このようなこと(※注:第1回参照)から,経営者がフードチェーンにおける当該組織の責任と役割を認識し,客観的事実に基づいて意思決定をし,それを現場の一人ひとりに伝え,現場で確実に実施できている状態にしなければならない。同時に,経営者が適時的確に判断ができるよう,現場から経営者に適時に報告することも重要である。このことは,ISO 22000 の採用の状況や組織の規模,製品の品目にかかわらず,経営においてこれまでも運用されていることであろう。より効果的に,継続的に実行する点にマネジメントシステムを採用する意義がある。
ISO 22000:2018(以下,本規格)では,組織の活動全体のPDCA サイクルの「DO」(図1 8. 運用)に該当するところにハザード分析をはじめとする食品安全の実現のための衛生管理,食品安全に影響するハザードの管理に関する要求事項が位置付けられている。
ISO 22000 を活用した経営を遂行する際に,この「DO」のプロセスに,組織の方針,組織の食品安全に対する考え方を反映し,食品の安全性を確保することが重要である。また,この「DO の結果」が,フードチェーン,当該組織への社会的ニーズや期待,状況の変化に適応し続けることができるように,そして,当該組織が目指す経営に寄与できるように全体のPDCA に基づく活動をすることが重要である。
【図1】 ISO 22000:2018 のPDCA サイクルの概念図
(出典:対訳ISO22000:2018 ⅷページ
二つのレベルでのPlan-Do-Check-Act サイクルの概念図)