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ハザード管理のありようは組織と働く人々の良心①

 食品にゼロリスクはない。ゆえに「ハザードを許容できるレベルに管理する」ことが求められる。

 HACCP システムでは,例えば病原微生物の制御のために,温度と時間といった客観的基準(許容限界)を設定し,適・不適の境界を管理する工程(CCP)と,容器の密閉性を保ったり,急冷など決めた温度帯に到達させたり,維持することにより増殖を抑える管理方法(OPRP)がある。OPRP は,明確に対象となる管理状態の適と不適の線引きをするのではなく,測定によるモニタリング,あるいは,一定の観察(処置基準)により管理することによって,効果的にリスクを許容できるレベルに維持することを目的としている。本規格では,CCP 工程とOPRP の確立,実施,維持について,「8.5.4ハザード管理プラン(HACCP/OPRP プラン)」として一つの箇条として規定している。

 製品の特性や前後の工程,設備の状態,作業上管理可能なレベルによりOPRP で管理する工程は様々で,どのように設定するかは,組織の判断によることが多い。さらに,OPRP を管理手法や人の行動でうまく運用することができれば,モニタリングのための装置によらず効果的に資源の配分と安全性の確保ができる可能性も広がる。

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