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リスクと機会への取組みをビジネスチャンスに①

 

 マネジメントシステムで対象とするリスクとは,目標や期待に対する不確かさであり,プラスとマイナスの両方の影響を指す。経営の場面では,望ましい状態に対してはその機会をビジネスチャンスとして事業の拡大や新規市場への参入,新規顧客の獲得,あるいは,事業をスリム化し利益のある分野に特化した事業へと再編するなどが考えられる。品質マネジメントシステムでは,「品質をプロセスで作り込む」という考え方がある。製品や工程を設計する段階から品質に影響する因子や要素を管理項目として設定し,制御することにより,結果,生産されたものが目標とする品質を備えているようにすることである。目標とする品質を得るためには,後工程で対応するよりも,可能な限り前工程で対応した方がより確実で,効率的である。これは,食品安全についても同様である。例えば,食品製造におけるHACCP システムの取組みは,あらかじめ潜在的な食品安全ハザードを抽出し,影響を許容できるレベルに抑えるために,その特性に応じた原料を選定し,レシピや工程での管理手段と基準を決めて制御するというものである。そこへ,原材料の生産段階やレシピの開発段階,製造後の流通段階におけるリスクを抽出し管理することを加えれば,フードチェーン全体で安全を作り込むしくみとすることができる。

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